Banshee でタグ情報の一部を読み込めないオーディオファイルがある

トラブル対応

問題の概要

音楽オーガナイザー&音楽プレーヤーのBanshee で、タグ情報(メタデータ)の一部を読み込めないオーディオファイルがある。
なぜか、「アーティスト」や「アルバム」が読み込めていないようで、一覧では「不明なアルバム」や「不明なアーティスト」になっている。さらに、[トラック情報の編集] を開いてみると、同項目は空欄である。
以前は問題なく表示されていたが、色々いじった末、気がついたらこのようになっていた・・・。

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環境

  • OS: Linux Mint 17.1 Xfce
  • 音楽オーガナイザー/プレーヤーソフト: Banshee 2.6.2

原因調査

原因

色々調査したり試行錯誤しているうちに、以下の結論にたどり着いた:
本事象が発生しているオーディオファイル形式は、全てWMAである。
別の音楽オーガナイザー&音楽プレーヤーであるAmarokやClementine、そしてRhythmbox やオーディオファイルタグエディターで問題のファイルらを開いたところ、問題なくタグ情報を読みとることができた。

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これで思い出したんだが、以前Amarok(Ver. 2.8.0) で、これらWMAのタグを一括編集したことがあった。この編集により、これらオーディオファイルのタグが、Banshee が読み込めない形式に変わってしまった可能性がある。

再現

実際に、本事象が発生していないWMAファイルをピックアップし、その中のタグ内にある「ターティスト」と「アルバムのアーティスト」を、Amarok で編集してみた。
Banshee 上では、この楽曲をBanshee 上からのみ予め削除しておく。
そしてそのWMAファイルをBanshee に登録しなおし、[トラック情報の編集] でタグ情報を見てみた。そうしたら、Amarok で編集した箇所以外の「ジャンル」なども含め、タグ情報は全てBanshee では読み込めなくなっていた。
本事象が発生しているWMAファイルとうまく読み込めたWMAファイルを、Kid3 というタグエディタソフトでそれぞれ読み込んで、タグ情報を比較してみた。Kid 3 だとタグの細かな情報まで見れるので。
そうしたら、どちらもASF というタグ形式が使われているようだ。しかしそれ以上の細かい違いなどは、私の目では分からなかった。

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一見同じようなASFタグなのに、片方が読み込めて、片方が読み込めない・・・。これは、Amarok によってASFのバージョンが書き換えられてしまったのか、それとも同じASFでも亜種的なものが存在するのか・・・。結局は分からずじまい。
いずれにしても、Amarok でWMAのタグをいったん編集&保存してしまうと、Banshee ではそれらタグをうまく読み込めないことがあるようだ。

解決策

Banshee は、以前にもShitf-JIS で書かれているタグが読み込めなかったことがある。
今回の件も含めて考えると、Banshee はタグ関係に弱いとみた。
本事象が発生しているWMAファイルのタグを直そうにも、直し方もわからないし、直すのも面倒だ。
かと言って、Amarok に乗り換えようにも、私のPCには少し重たい。
このため、Banshee もAmarok も使うのを止めて、同種の別ソフトを探すことにした。
色々ためしたところ、Clementine というのがよさげ。
これをインストールし、問題のWMAファイルを読み込んだところ、Banshee が認識できなかったタグも問題なく読み込むことができた。

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代替ソフト検討の過程:

最終的にClementine を選んだのは、以下のように比較した結果、一番よさ気だったんで。

・Amarok

【長所】多機能。今回問題のファイルのタグも読める。
【短所】重め。今回の問題を引き起こした元凶であるという遺恨がある。

・Rhythmbox

【長所】デザインすっきり。今回問題のファイルのタグも読める。
【短所】私が試しに使った時は、途中で何回か落ちた。機能がやや少なそう。

・Clementine

【長所】重くない。欲しい機能を満たしている。今回問題のファイルのタグも読める。
【長所かつ短所】再生操作が少し独特。
【短所】CDDBとしてMusicBrainz を使っているっぽい。これに情報が登録されていないアルバムはけっこうある。
⇒ それでも、この中ではClementine が一番良さげだった。

備考

オーディオファイルのタグには、ID3やASFなどいくつかあるようで、さらにバージョンも色々あるようだ。
音楽オーガナイザー/プレーヤーによって、タグ種やそのVer.ごとに読める/読めないがある模様。
WMAを全てMP3 に変換するという手も考えたが、以前やってみたときにタグ情報が飛んでしまったことがあった。これが怖いので、今回も形式の変換はしない。
今回使ったKid3 というソフトは、WMA(ASFコンテナ?)のタグを読み込むことができた。一方、同種の中でもうちょい有名だと思われるEasytag というソフトは、残念ながらWMA のタグが読めなかった。

参考URL

https://ja.wikipedia.org/wiki/ID3タグ

http://banshee-media-player.2283330.n4.nabble.com/ID3v2-3-tags-td3783191.html

MP3 tagging(ID3) Versus WMA(ASF) tagging
Compare WMA tagging with ID3 tagging
Attention Required! | Cloudflare

所感

昔、デジタルオーディオファイルを聴き始めた頃は、MP3 を使っていた。それから少し経ってからは、マイクロソフトによるWMAの宣伝文句か何かに誘われ、WMAでリッピング/保存するようになった。たしか、同じビットレートならばMP3よりもWMAの方が良いとかだったと思う。128Kbps のMP3 と同等の音質を、WMAならもうちょい低いビットレートでも聴ける、みたいに聞いたと思う。あの頃はRio というデジタル音楽プレーヤーを使ってたんだけど、容量がたったの32MBとかだったので、ファイルの容量を少しでも小さくしておきたかったんだっけ。
それから長い間、オーディオファイルはずっとWMAで保存/蓄積してきた。
今となっては、全てMP3 にしておけばよかったと思うこともしばしば・・・。今回のような件もあるので。
しかしながら、WMAには長い間お世話になってきたし、既存ファイル群についてはこれからもよろしくって感じ。ただし今後新たに保存するときは、MP3 使ってくわ。

まとめ

Amarok でWMAファイルのタグ情報を編集したことが原因で、Banshee でそれらタグを読み込めなくなった。
音楽プレーヤーソフトをBanshee からClementine に乗り換えることで、これらタグを再び読めるようになった。
Banshee で読み込めないことに対する根本解決には至っていない。今後Banshee がバージョンアップして、同種の別ソフトと同じくらいに色々なタグを読み込めるようになるといいのに。

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