TYPING TUTOR IV + の思い出

パソコンのキーボードのタッチタイピング(ブラインドタッチ)を上達させるには、それ用の練習ソフトを使うのが手っ取り早い。
私が使ったのは、TYPING TUTOR IV + というソフトだった。自分が出会った中では最高レベルのソフトウェアかもしれない。

もう30年近く前になるが、ラップトップパソコンである東芝 J-3100 シリーズのダイナブック SX という機種を使っていて、そこで OS としてパソコン付属の J-3100 用 MS-DOS 3.1 を動かしていた。そしてその上で、TYPING TUTOR IV + を起動させて使っていた。
このソフトは当時の他のソフトと同様、もともと3.5 インチのフロッピーディスクで提供されており、フロッピーから起動するのが基本だったと思う。でもそのダイナブックSX には 20MB だかのHDD が搭載されていたため、私はフロッピーの中身を予め全部 HDD にコピーしておき、HDD から毎回起動させていた。その方が手間がなく、動きも格段に速かった。
タッチタイピング練習に必要のない要素はほぼ無かったため、練習に集中できた。

このソフトにはいくつかのモードがあったと思う。
通常のタイピング練習、運指、そして文字が襲ってくるインベーダーゲーム。
これら3つが相互に作用して、私のタッチタイピング速度はみるみる上がっていった。

運指というのは、同じ指を使って打つべき隣り合う2つキーだけを、その1本の指だけで、画面で指示されたとおりにひたすら打ちまくるモードだった。こうして、そのような全てのキーの組み合わせを満遍なくやるドリル。
通常の練習に加えこれをやることでかなり上達した記憶がある。

そして文字が上から襲ってくるインベーダーゲーム。これがめちゃくちゃ面白かった。
上から降ってくる英単語たちがこちら側の陣地に到着する前にタイピングする。さもないと陣地のバリゲードが破壊され、侵略されてしまう。
パソコンでゲームをするというだけでも興奮したのに、これにより実用的なスキルがみるみる身についてしまうんだから一石二鳥。

通常のタイピングモードでも、苦手なキーを検出してそこだけ再練習させてくれるみたいな機能があった気がする。

GUI ではなく CUI の時代。画面は白黒、というかそのパソコンでは白青。音もビープ音のみ。なのにめちゃくちゃ楽しかった。

その少し後、Windows 95 が出てのパソコンブームにより、他にも様々なタッチタイピングソフトやタッチタイピングゲームが次々と世に出された。それでも、この TYPING TUTOR IV + を超えるものには出会わなかった。

最高のソフト、メソッド自体は今でも十分に通用すると思うのだが。グラフィックやサウンドだけを向上させた現代版が出たらいいのに。

ちなみに今でもインターネットアーカイブ上でプレイできる模様。エディションとかは違うけど。
Typing Tutor IV : Free Download, Borrow, and Streaming : Internet Archive

画面ショットもあった。エディションとかは違うかもだけど。
Typing Tutor IV (1987) by Simon & Schuster MS-DOS game

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